行きつけのスーパーで、東北フェアが催されていて、その中に「青森のにんにくせんべい」という袋を発見した。

表には「日本の元気」「田子町産にんにく一〇〇%使用」と大書されていた。すぐ買った。中身は小ぶりのいわゆる〝えびせん〟だった。うまかった。

ニンニクを正面に押し出した商品は数が多い。みじん切りを瓶詰めにしたもの。練ったもの。スライスしたものを乾燥させてパックしたもの。「にんにくみそ」というのもあった。ご飯にのっけて食べると、これはこれで美味しかった。

イタリアには、ニンニクだけを純粋に練ったものを小瓶に詰めたものが売られていた。その味を験す際、私はカップヌードルに入れてみる。小さじに山盛り入れてみると、味がいきいきしてきた。

料理研究家のコウケンテツさんが、ベトナムやタイ、カンボジアなど、アジアの寒村を旅し、その一軒にもぐりこみ、そこの主婦から料理を習うという番組がある。

私でも知らない料理が登場するので、面白く拝見しているが、必ずと言っていいほどニンニクが出てくる。ニンニクをスライスする。そして大量に投入する。アジアの主菜からは、欠かせないものである。

でも、その使い方たるや、単純で、豪快である。どかっと入れる。そして他のものと混ぜるのだ。

和食の達人に使い方を訊いた。

「スライスしますね。低温の油に投入します。すると、まわりにブクブクが出てきます。それを箸でそっと除けて……あ、それから、軽く冷凍したものを使ったりします」

ニンニクには、アリインという物質が含まれている。これは、細胞の中にある。切られて細胞の外に出てくると、アリシナーゼという酵素が働いて、アリシンという物質に変わる。このアリシンには、イオウが含まれていて、匂いのもとになる。