ガロハ~!!
こんにちは。ガーリックのプロフェッショナル、ガリプロです!!
弊社代表光本とかねてより親交のあるムツゴロウさんこと畑正憲先生に、「にんにく物語」と題して、にんにくのコラムを書いていただきました。
これまで世界中を旅してこられた先生のユーモアたっぷりのお話しをブログでもご紹介していきたいと思います。
夏、北国の緑は、輝きを増す。そして、トウモロコシが美味しい季節がやってくる。
誰かがやろうと切り出し、近くの農家へ出向く。はたけに入り、自分たちでもぐ。これぞ産地直送。トウモロコシは、新鮮なほど旨い。ゆでる。焼く。つぶして、セモリナ粉と混ぜ、ニョッキにする。
私は、ひと口かじり、「うーん」と鼻から声を抜き、「甘ぁーい」とテレビのレポーターのまねをする。
最近は、手軽に出来るせいか、タレントの旅番組が多く、ものを食べるシーンがやたら多い。その決まり文句が、「甘い」「くさくない」「やわらかい」である。
海の近くへ行き、獲れたての魚を食べる。そして言う。「甘ぁーい」。
甘さが強くて当然だ。糖分が分解されていないからだ。
食べものは、生きているものの一部だ。時々刻々と変化し、厳密に言えば、一瞬として同じ状態ではない。特に、食べものとして切身にされてからは、生きているという統制がなくなるわけだから、グリコゲンはグルコースに分解され、蛋白質は、プロテアーゼの働きで切られていく。
これをオートリーゼ(Autolyse)、自己分解と言う。私は生化学の実習で、それを計測させられたものだ。肉片を無菌状態に保ち、その成分が、時間と共に変化していくのを確かめた。
この変化は、経験的に知られていて、料理人に利用されている。
わが町、浜中町には、昔、日本で唯一の捕鯨基地があった。だから、貴重な尾の身の刺身が手に入った。
私は博多っ子だから、新鮮なほどよかった。だが、料亭の女将は違った。冷蔵庫の中で三日ほど保存し、〝熟成〟させたものが最上だと言った。このオートリーゼにより、アミノ酸などが増えるからである。
食べものの好みは、地方により、人によって異なるから厄介だ。鯛の刺身でも、歯で噛み切れないくらいのものは、博多っ子向きだ。冷暗所で一晩寝かせたものは、江戸っ子のもので、鯛の本当のウマミが出ていると言う。
人は、食べものを変化させ、利用してきた。クサヤの干物などは、どろどろしたくさい液に浸けて仕上げる。塩浸けにする。砂糖浸けにもする。そして、煙でいぶし、くん製にもしてしまう。